高市首相は中国の「是正要求」にどう答えるのか!? 迫る所信表明演説、APECを前に広がる「日本が折れるべき論」
明日5日に召集される臨時国会で、高市さんの所信表明演説に注目が集まっています。主な注目点は「消費税減税」「責任ある積極財政」そして「中国問題」。中国問題とは前回の記事のテーマにもなった岩屋元外相訪中の件で、中国側は高市さんに対して昨年の台湾問題に関する発言を「是正しろ」と求めていました。明日の所信表明演説は「是正しろ」発言に対する返答となるわけですが、果たして高市さんはどう答えるつもりなのでしょうか?
演説原案によると「中国は重要な隣国であり、難しい中にも長年の積み重ねがある。対話のための対話ではなく国益を守るための対話を進め、建設的かつ安定的な関係を構築する」という従来からの対中政策と変わらない態度。つまり、是正しない代わりに、不要な刺激もしないというものですが、「是正しなかった」ことに対して、大手メディアがどう書くのかは見どころの一つになるでしょう。
予想される一つが「11月に中国・深圳で開催されるAPECで習近平が日中首脳会談に応じなかったらどうするのか」と騒ぎ出すことです。「他国が習近平と会談している中、日本だけが習近平と会えなくていいのか」という切り口です。あるいは「日本だけがレアアース輸出を規制されたままになるけど大丈夫なのか」というものでしょう。つまり、11月のAPECとからめて高市さんの発言を軟化させようとする勢力がまたぞろ蠢き出す予感です。
すでにその兆候は各所で見られています。例えば、事実上のテレビ朝日系列である『ABEMA』ではひろゆき氏、キャノングローバル戦略研究所の瀬口清之氏、近畿大の夏野剛氏、東京財団の柯隆氏らが高市さんに歩み寄りを促しています。
「経済的に拳を上げる必要はない。トランプ大統領だって、中国を名指しで敵視していたのに、結果として経済が大事だからと、(訪米した)習近平氏を国賓級の扱いをして仲良くなった。高市総理も演技でいいから頭を下げておけば、その分日本経済が潤うかもしれない」ひろゆき氏
「今、日本企業との取引は危険という雰囲気が中国の企業に広がっている。こんなことで問題になっているのが、経済界からすると残念だ。中国という巨大市場なくして日本企業は生き残れない」夏野氏
「0か100じゃない、ちょうどいい形の何かは必ずある。どういう言葉を使うかは日本の外務省と中国の外交部が脳髄を振り絞って考える。高市総理にはもっとヨーロッパのリーダーと付き合い、第三者の目からアメリカと中国と日本の立ち位置を見て、落としどころのイメージをつかんでほしい」瀬口氏
「時間が解決してくれると思う。高市総理もこういうことを言ったからとはいえ、中国と戦争しようとは思っていない。お互いクールダウンをしながら見つめ直す時間が大切だ」柯隆氏
結局、「日本側が折れれば丸く収まるじゃないか? 損して得取れ」みたいな話をしています。もちろん、それで得が取れればいいのですが、中国相手にそれが通じるでしょうか? こちらが一歩下がれば、かさにかかって2歩、3歩と攻めてくるような人たちです。実際中国はいままでずっとそうしてきたはずです。日本以外の他国に対しても。そんな相手に対して「譲歩すればいい」と勧めるのです。
もうひとつ、岩屋氏訪中の件で「王毅氏から『是正発言』を引き出した岩屋氏」と書いた『東洋経済』にしても「中国は、これまで共同宣言などで使ってきた『中国はひとつ』という言葉を日本に言ってほしいということ。今年11月には深圳市でAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議が行われ、中国がホスト国を務めるが、日中関係が現状のままではまずいので、関係改善を狙っているはず」という緒方林太郎衆院議員の発言を引用し、やはり、日本が態度を軟化させることが肝要だと主張しています。
高市政権は現状、APECに出席するともしないとも言っていません。その段階で、ここまで中国寄りの報道をする勢力がいま日本には本当に多いのです。前回の記事で書いたように「反高市勢力」を結集しようとしている中国側の動きにはやはり注意が必要です。「互いに歩み寄ればいい」という耳障りの良い言葉に騙される日本人はだいぶ少なくなってきていることをわからせてあげたいものです。
(戦略インテリジェンスワールド編集部)
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