無料予告版|BRICS会議の予告。そして断末魔の総選挙を簡略解説
——イスラエルがハマスのリーダー、シンワル最高幹部を殺害しました。
ジェームズ シンワル最高幹部を殺して、最後の瞬間のビデオを公開しましたね。あれで何が変わるかというと何も変わりません。
——えっ、そうなんですか? CNNでは「シンワル氏殺害でガザ戦闘の終結が近づいた」と報じていますが。
ジェームズ どうでしょうか? シンワル氏が死んだからと言って、ハマスがなくなるわけでもないですし、ロシアやイランの支援が止まるわけでもありません。逆に、ハマスのリーダーを殺すところを世界に公開することによって、シンワル氏が神格化されて、ハマスの運動が盛り上がってしまっているくらいです。
——逆効果だったと。
ジェームズ というよりも、イスラエルのネタニヤフ首相はアメリカの支援を得るために、「こういう実績を残しました」という意味でビデオの公開をしているだけです。ところが、それでアメリカの支援が大きくなったわけでもないので、逆にイスラエルは追い詰められた形になってしまっています、世界的に反イスラエル感情が高まってしまいましたから。
——そういうものなんですね。ちなみに、イラン・イスラエル戦争はもう始まってしまっているんですか?
ジェームズ それはイラン・イスラエル戦争をどう定義するかです。両方の国にミサイルが落ちている状態を言うのであれば、すでに落ちているので始まっています。地上軍による軍事侵攻が始まったことを言うならば、まだですね、というだけです。ですから、イラン・イスラエル戦争は事実上始まっているようなもので、それが目に見える形になってきたというだけです。
今回のハマスのリーダーの暗殺はイスラエルにとっては大失敗だと思います。大戦略として見た場合、アメリカ頼りのイスラエルは追い詰められています。その証拠に今週ロシアでBRICS会議が開かれます。そこにイランは出席しますが、イスラエルは出席しません。
BRICS会議では「ドル基軸通貨体制を崩壊させる」と宣言すると言われていますからイスラエルが出席できるわけがありませんが、そもそもアメリカを頼りにしても戦争は解決しません。昨日の記事でも指摘しましたが、米軍は自国民に銃を向け殺すことを容認するような軍隊に成り下がっています。これでは米軍が中国の人民解放軍と同レベルになったようなもので、そんな国を当てにしてどうするのですか? イスラエルは戦術的にはイランに勝っていますが、大戦略では完全に負けていると言っていいでしょう。今回のハマスのリーダーの暗殺はそれがかなりはっきりした形で出てしまったと言えます。
——イスラエルは、リーダーの暗殺によって逆に詰んでしまったと。
ジェームズ 大戦略レベルの形勢は悪い方向に進んでいると言えます。それよりも、今後の世界を考えるのであれば、BRICS会議の行方のほうがはるかに重要です。さきほどもお話ししたように、BRICSはいまドル基軸通貨体制の崩壊を目論んでいます。そのためにBRICSペイという独自の決済システムを立ち上げました。アメリカドルやSwiftに依存しない独自の決済システムです。ロシアへの送金はこれでできるようになります。
——以前の記事で書いたロマン・アブラモビッチほかのオリガルヒたちはそれでいいんですか?
ジェームズ たしかにアブラモビッチたちが欧米に残した資産は凍結されたままです。しかし、ロシアにある資産はBRICSの国同士では動かせます。例えば、ロシアにある資産を中国に移して、中国でドルに変えて、アメリカに送金することはできます。ですから、アブラモビッチといったオリガルヒたちもBRICS決済システムでかなり救われます。欧米に残した資産が対象にならないだけです。
ともかく、今回のBRICS会議はかなり面白いものになると思うので、会議が終わった時点で改めて記事にしたいと思います。
——わかりました。では、BRICSは次回の記事ということにして、今回は日本の総選挙の状況についてもお聞きしたいです。なにか面白いトピックスはありますか?
ジェームズ 情けない話ですが、牧原秀樹という現職の法務大臣が落選しそうですね(苦笑)。菅さんのガネーシャの会出身でクルド大万歳の人間なので、これは当然です。日本の法務省が、アメリカのホームランドセキュリティ省化しています。難民大万歳、移民大万歳、中国人大万歳になっていますから、ここでちゃんと落選させたほうがいいと思います。また、今回、自民党はかなり議席を失うことになりそうです。
——以前、最低でも20議席は失うと言ってましたが、もっと失うと。
ジェームズ 20議席というのは自民党関係者の言葉です。しかし、いまの状況ですと政権交代してもいいぐらい落ちると思います。といっても野田さんの立憲もパッとしませんので、立憲に票が集まるわけでもなく、自民にも票が集まらないということでしょう。ですから、自民党は与党から外れる可能性も出てきたということです。
いずれにせよ、日本の政治は完全に断末魔です。大統領選挙後の不穏な空気にも対応できないでしょう。日本の政治がますますカオスになる中で、アメリカの内戦の皺寄せが到来し、そこで中国と無理矢理アメリカの代理戦争をさせられる可能性があるのです。それが何よりも懸念される事態でしょうね。
〜〜〜〜〜〜〜次回はBRICS会議の分析についてです。ご期待ください!〜〜〜〜〜〜〜〜〜
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